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大黒天に関する解説 


  大黒天の名称は、摩訶迦羅天。
 ヒンズー教のシバ神の化身です。
 日本では、大国さんの名称でも親しまれていますが、
 こちらは、大国主命であり、別の神様です。

 シバ神には、様々な化身があり、摩訶迦羅は、
 時間を司る神様です。
 創造された宇宙が、宇宙の法則に従い、長い間、
 維持されて行きますが、やがて、雄大な時間が
 過ぎると宇宙の崩壊が始まり、全てが終焉を
 迎え、何もかも存在の全てが終わりを告げます。
 その時に起こる破壊そのものを神格化して、
 シバ神としました。
 インド哲学の真髄と言うべき所です。

 シバ神の化身である摩訶迦羅が仏教に入り、
 仏法を護持する摩訶迦羅天となりました。
 この摩訶迦羅天は忿怒尊であり、一般的に
 知られている笑顔の大黒天とは、全く、
 別の形態をしています。
 同じ摩訶迦羅天でも、三面忿怒になると、
 摩怛利神と言いまして、疫病の神様となり、
 呼称が変わります。 
 天台宗の摩多羅神とは、別尊です。

 初めは、シバ神の一面である冥府を司り、
 戦闘神の性格を残していました。
 時代が下るにつれ、福袋を持つ財宝神へと
 変化しました。
 元々、袋の中には、不老不死の薬を作る原料が
 入っていた様で、病を治す神様でもありました。
 昔話では、福袋の中身は米が多い様ですが、
 次第に、七宝が入っている事になった様です。
 
 南天竺では、手に袋を持つ摩訶迦羅が、僧堂や食堂に、
 祭られ、油を塗る供養を受け、黒光りしていた様です。
 中国の江南地域の海岸部にも、同じ風習が伝わり、
 日本に伝わった時、こうした風習は浸透しませんでした。
 湿気の多い日本では、木像に油を塗るとカビが生えたり、
 虫の類が舐めていたりします。
 風土的に、余り、馴染まなかった様ですが、 昔は、
 油が貴重品で、手に入り難かった事も一因かと、
 思われます。
 
 鎌倉時代から、様相が変わり出して、江戸時代に入ると、
 現在よく見られる米俵に打出の小槌、笑顔の尊像へと
 変貌しました。
 江戸庶民に七福神詣でが定着すると財宝の神様として、
 崇められました。
 特に、祭る時の制約もないので、一般家庭でも台所に祭られ、
 親しみのある神様になっています。
 大黒様の横で、魚や肉を料理していても、穢れを気にせず、
 罰の心配をしなくて済む気軽さも手伝い、庶民の信仰を
 集めました。
 
 ご利益
 商売繁盛、福徳円満、立身出世、

 参拝の仕方
 般若心経 1遍
 大黒天真言 オン、マカ、キャラヤ、ソワカ 7遍
 不動真言を加えると丁寧です。

 供え物
 米、塩、酒、その他随意

         図1、御室曼荼羅摩訶迦羅天
   

    図2、金沢文庫所蔵 摩怛利神
   


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